柿珊瑚鼈甲差込簪
かきさんごべっこうさしこみかんざし
概要
二本足、差込式の鼈甲簪。差込式の飾りは柿の容彫で、柿の実は珊瑚玉で表している。簪は笄から分化して発生し、二本足の簪は享保以降に出現した。延享元年(1744)に金銀製の櫛・笄が禁止されてからは象牙・鼈甲・錫が用いられたが、寛政頃から金銀製の簪が再流行した。『玳瑁亀圖説』によると、鼈甲製の差込簪は明和・安永頃から行われたとされる。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。