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御所人形

概要

御所人形

江戸

江戸時代・19世紀

木製胡粉塗

全高31.4

1軀

御所人形とは宮中をはじめ、京都の公家の間で好まれた幼い子どもの人形です。頭が大きくまるまるとした姿が特徴的で、ふっくらと愛らしい子供の美しさを尊んできた日本ならではの美意識が結実しています。この御所人形は刺繍を施した紅色の腹掛けを付け、頭に赤い牡丹の花を飾った金冠を戴き、右手には軍配を持っています。この姿には天下を治めるという意味があり、とても縁起のよいものです。また人形が乗る台には車がついており、手前の綱を引いて遊ぶようにできています。法隆寺の記録によると、この人形は文化年間、西暦1804年から1818年の間に御所から奉納されたことが分かります。文化10年、(1813)に後桜町天皇が崩御されていることから、その遺品として法隆寺に奉納された可能性が考えられます。現存する御所人形のなかでもとりわけ品格の高い名作であり、江戸時代の華やかな宮廷文化が偲ばれます。

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