台付鉢形土器
だいつきはちがたどき
概要
縄文時代晩期の東北から北海道南西部にかけて出土する亀ヶ岡文化の土器である。外面には塗布された赤色漆が光沢を保って遺存している。漆工文化は、東・東南アジアに分布し、各地で多様に展開した。その歴史は、日本においては縄文時代早期にまで遡る。しかし、有機物が遺存しづらい埋蔵環境の中で塗膜が明瞭に残る漆製品が出土するのは低湿地遺跡に限られる。通常の遺跡では漆が腐朽し痕跡すら残らない場合や、赤色漆の場合には漆に混和されていた赤色顔料が粉状化して残るのみである。