五彩長江天門文盤(南京赤絵)
ゴサイチョウコウテンモンモンバン(ナンキンアカエ)
概要
南京赤絵とは、中国明時代末期から清時代初期にかけて景徳鎮の民窯系の窯で焼かれた色絵磁器。ただし、明時代末期の天啓・崇禎年間(1621~44)のものは、天啓赤絵と呼ばれ、南京赤絵とは区別されることもある。南京赤絵という呼び名は、中国の明王朝の都が南京にあったことから、中国から輸入された色絵(五彩)磁器を指すことに起源している。 画面の右側に書かれた文字は、中国の詩人・李白の「望天門山詩」。明時代末期の天啓・崇禎年間に焼かれたとされる古染付の中に、全く同意匠の皿があることから、この皿は天啓赤絵の範疇に含められるべきものかもしれない。 この皿の高台内には、「大明成化年製」の染付銘が施されていが、実際に造られたのは成化年間から一世紀半近くも後のことと考えられる。南京赤絵には、こうした偽銘をもつものが少なくない。