佐州金銀採製全図
さしゅうきんぎんさいせいぜんず
概要
江戸時代の佐渡金銀山、特に相川金銀山における稼業の様子を描いた絵巻。採鉱、選鉱、金銀銅の製錬、小判への加工の工程、および砂金の採取を図説する。
国内外に多くの残存例が知られるいわゆる佐渡金銀山絵巻だが、本作品は1.「金銀採製全図」を冠する名称、2.巻頭が「惣目録」から始まる、3.文化14年(1817)に導入された水車による鉱石の粉砕場面が描かれる、という諸点から、文政2年(1819)から幕末期にかけて描かれたタイプに属する。その中でも嘉永6年(1853)という制作年代が明記されることは特筆され、さらに描写の丁寧さや彩色の豊かさ、注記の細かさ等においても、他の良本に劣らぬ内容を持つ。