重掛け
じゅうかけ
概要
縮緬を縫い合わせて一枚としたもので、ほぼ正方形の形をしている。四辺は浅葱色の糸で縁取りされ、同じ浅葱色の糸で作られた房が四隅に付いている。
重掛けは婚礼で用いられるものであることから、使われている布地も華やかで、梅、菊、牡丹、桔梗などの花々が全体的にあしらわれ、熨斗、盃、花嫁の懐剣、糸巻きなどの縁起のいいモチーフが描かれている。背景は、一面の藤色の上に白く霞がかかったような色合いになっており、淡い雰囲気を漂わせている。
長年折り畳んで保存されていたために若干の折り目が付いており、所々に汚れがあるが、全体的に鮮やかな色彩を保っている。
【重掛け(じゅうかけ)】
婚礼の後、近所や親戚への挨拶回りに行くとき、重箱の中に赤飯や餅、饅頭などを入れ、持っていく。重台、重蒲団、重箱の順に置き、その上に、豪華な刺繍や家紋の入った重掛けをかける。
『砺波の民具』(砺波市立砺波郷土資料館、2008年)567頁
※参考
・HP「金沢くらしの博物館」(2016年11月26日アクセス)