旧中村家住宅(長野県塩尻市大字奈良井) 土蔵
キュウナカムラケジュウタク ドゾウ
概要
旧中村家住宅は,重要伝統的建造物群保存地区に選定されている塩尻市奈良井に所在する。主屋は,天保8年(1837)の大火後,同14年頃の建築である。
主屋は間口約6mで,江戸時代末期の中山道の木曽11宿では,典型的な規模の町家である。出梁による深い軒や,二階の出格子窓,重厚な板庇,一階のシトミなど,奈良井宿に特有の表構えをよく留めており,価値が高い。
また,当家は塗(ぬり)櫛(ぐし)の販売を営んだが,主屋表の二階には漆塗(うるしぬり)作業の痕跡が残り,彩色の工程がここで行われたことがわかる。宿場の生業の一端を示して貴重である。