横瓶
よこべ
概要
丸底の長胴壺を成形後に開口部分に円板を貼り付けて塞ぎ、横長の球形胴部を作り出す。その後、その側面を刳り貫き別作りの口頸部を取り付けて横瓶とする。胴部はタタキで成形し、肩部からは自然釉が垂れており美術効果を高めている。横瓶は6世紀に登場する須恵器の器種の一種であり、古墳時代後期の副葬品に多く見られる。また表面に残る痕跡から、窯での焼成の様子をうかがい知ることができる資料である。とくに自然釉は燃焼材に起因する偶発的な要因で発生するものだが、後の灰釉陶器に繋がっていく要素であり、当時の人々が釉調の変化を一種の景色として愛好したことをうかがわせる優品である。