霰地真形釜欠風炉
あられじしんなりがまかけふろ
概要
筑前芦屋(現 福岡県遠賀郡芦屋町)で制作された霰地真形釜を風炉に改作したもの。後代に釜底が破れて底が付け替えられた後、風炉として底部に如意頭形の脚を3つ設け、更に胴の上部を意図的に打ち欠いた欠風炉(かけふろ)の姿をとる。胴の付け根から伸びる羽は錣羽(しころば)で、羽先を玉縁状に仕上げる。太い真鍮鐶を通した左右の鐶付は大ぶりで、喉や顎先が厳つい鬼面をなし、大きく打ち返した鼻先や盛り上がった眉間や目と相まって、非常に雄勁である。鬼面の鐶付や胴部に巡らした羽からみて、制作当初は芦屋釜のなかで最も基本的な形である真形釜であったことは確実である。なお、肩あたりの割れ口で測る胴部断面の厚みは、最も薄い部分で2.3mmしかなく、大型の釜としては驚異的な薄さを誇る。