探幽縮図 草花生写図巻
タンユウシュクズ クサバナセイシャズカン
概要
狩野探幽は江戸幕府御用絵師。従来の狩野派様式とは一線を画した瀟洒淡麗な画風を確立し、江戸時代絵画全般に大きな影響を与えた。探幽は、風景・動植物・書画など多岐にわたるスケッチを膨大な量残しており、それらは総称して探幽縮図と呼ばれる。 本作には、六十歳代前半頃の探幽が写し取った草花のスケッチが収められている。植物の全体だけでなく部分を拡大したものもあり、一部には丁寧な彩色が施されている。本画とはまた異なるみずみずしい描写と、対象の特徴を的確にとらえる画家の鋭い観察眼を見ることのできる貴重な作品である。