旧広島陸軍被服支廠倉庫施設 一二番庫
きゅうひろしまりくぐんひふくししょうそうこしせつ じゅうにばんこ
概要
日露戦争後、陸軍における兵站施設の充実のため大正3年に建設された。陸軍本省が設計を掌り、陸軍大臣の令達により第五師団が実施設計と工事を担った。柱や梁、スラブなど主な構造を鉄筋コンクリート造、外壁などを煉瓦造とする希少な建造物で、鉄筋コンクリート造として現存最古級。特異な形状の鉄筋を用いるカーン式鉄筋コンクリートの遺構としても希少。基礎に場所打ちコンクリート杭の嚆矢であるコンプレッソル杭を採用し、屋根はモルタル製の桟に引掛桟瓦を葺くなど、先駆的な技術を用いる。被爆後に臨時救護所となり、以降も継続して使用されてきた被爆建物である。旧陸軍被服廠の関連施設のうち、現存唯一の遺構としても歴史的価値が高い。