多彩鳥文鉢
たさいとりもんはち
概要
深めの鉢で、体部は大きく開く。内面全体に、濃褐色、明るい茶色や黄土色などの絵の具で、横向きの鳥や連珠文付き花文や植物文などを大きく描き、上から透明な鉛釉を施している。鳥は、茎を咥えているようである。多彩鳥文鉢のなかでも典型例な図用を示している。素地には淡褐色の胎土を用いる。内面に動物文を大きく描くこの種の多彩鉢は、多くの類品が見つかったカスピ海沿岸近くのサーリーにちなみ、「サーリー手」と呼ばれている。窯址はサーリー周辺ではいまだに発見されていないため、サーリーは重要な集散地で、実際の生産地はジュルジャーンと考えられている。