晋唐小楷冊
しんとうしょうかいさつ
概要
魏の曹植(そうしょく)の洛神賦を、東晋の王献之が書写したもの。もとは全文があったが散逸し、南宋時代に高宗が9行の断簡を得、賈似道(かじどう)が4行を得た。賈似道がこれを玉版に刻した玉版十三行は、世に珍重されたが、その後所在を失い、明の万暦年間にその原石が出土した。
南宋の石邦哲(せきほうてつ)の刻した博古堂帖(はくこどうじょう)は、別に越州石氏(えっしゅうせきし)本とも称され、古くから晋唐の小楷を多く収めて定評があるが、完本は伝存しない。この冊は、黄庭経(こうていきょう)・東方朔画賛(とうほうさくがさん)などの晋帖5種、および破邪論(はじゃろん)・心経(しんきょう)などの唐帖6帖、都合11種を収める。