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染付竹虎図大鉢

そめつけたけとらずおおはち

概要

染付竹虎図大鉢

そめつけたけとらずおおはち

陶磁 / 江戸

伊万里

江戸時代・17世紀

磁製

高14.5 口径45.5 底径10.0

1口

 口径が45センチを超える大きな鉢です。径の小さな高台から口に向かって大きく開いており、幅をもたせた口縁には小さな刻みをめぐらせています。底の周りには、三つの小さな脚(あし)がついています。内側には染付で竹林と虎が描かれ、虎の視線の先には岩山、その向こうには雉があらわされています。白く丸い器面いっぱいに青の染付で描かれた絵は、荒々しい迫力に満ち、うねるような虎のしっぽからは、生き生きした躍動感が感じられます。
 この染付大鉢は、17世紀前半、現在の佐賀県にある有田の地で作られました。有田では朝鮮半島から渡来した陶工によって白磁を焼く技術が伝えられ、1610年代に日本で初めての磁器が生産されます。それらの製品は、伊万里の港から積み出されたことにちなんで、「伊万里焼」と総称されます。その伊万里焼のなかでも、17世紀前半の作品は特に初期伊万里(しょきいまり)と呼ばれます。この作品のような染付の大鉢や大皿は、初期伊万里を代表する作例の一つです。小さな高台で大きな鉢を支える形は、初期伊万里の大鉢にみられる特徴の一つで、磁器を焼く技術がまだ十分でなかった頃の作であることを示しています。絵についても、染付の筆運びは未熟で、藍色の濃淡にも不均一なところが見られます。しかしのびやかでおおらかな表現は、かえって一種の味わい深さを醸(かも)しだし、愛好家を魅了してきました。この大鉢にもそうした特徴がよくあらわれており、一生懸命に力強く絵を描きこんでいった様子がうかがえます。三つの脚をもつことも染付大鉢のなかでは大変珍しく貴重です。

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キーワード

伊万里 / 染付る / 高台 / 磁器

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