カットガラス手付碗
かっとがらすてつきわん
概要
器体側面に斜格子に魚子文(ストロベリーダイアモンド)が、車状工具によって施された把手付のカップ。このカットパターンは、19世紀のイギリスやアイルランドで流行したものです。収納木箱の蓋裏には、弘化4年(1847)に「中山経孝」が「御城代松平伊賀守様御内服部平左衛門様」から頂戴した旨が記されています。経孝は、八上郡の大庄屋かつ同郡別所村の庄屋を勤めた人物(善右衛門経孝)と考えられます。同三年の「御城替御入用金著調達」には、経孝が「200貫目」を献上したと記録があり、本器を拝受した理由との関連が示唆されます。
【びいどろ・ぎやまん・ガラス】