新宿雀ノ森のお焚き上げ
あらじゅくすずめのもりのおたきあげ
概要
「お焚き上げ」は、9月1日の夜に浅間神社で行われる火祭りである。浅間神社は旧新宿村の鎮守である雀ノ森氷川神社の境内社であり、「雀ノ森」は「鎮めの森」の意ではないかと言われている。
当日は朝から関係者が集まり、祭りの準備を進める。境内中央には薪を人の背丈ほどの高さに積み上げ、周囲に注連縄を張って斎場とする。斎場のわきには、テントを設営して内部に祭壇を設け、仮宮とする。
準備は午前中に終わり、午後3時から仮宮で祭典が行われる。各町会の総代と行者が出席し、神官が祝詞を奏上する。そのあと社務所での直会となる。
夜になると、大勢の参詣者が見守るなかで「お焚き上げ」が始まる。白装束の行者が手水で身を清めたのち、境内にある富士塚に登って「身禊祓(みそぎはらえ)」という祝詞を読み上げ、さらに仮宮に移動して「富士山御伝(おつたえ)」を読み上げる。
このあと行者は斎場に入り、積み上げた薪に点火されると、燃え上がる炎のなかに祈願内容を書いた紙を、長さ60㎝ほどの篠竹の箸で挟んで次々に投入する。その際、「おん願い奉る、○○○○(祈願内容)、新宿町○丁目、○○○○(氏名)」と読み上げる。祈願内容はあらかじめ町内への回覧で申込みを募ったもので、家内安全、病気平癒、商売繁盛などさまざまである。
翌日、役員は祈願の申込みをした家々を回り、お札を届けて祭りは終了する。