北口本宮冨士浅間神社 拝殿及び幣殿
きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ はいでんおよびへいでん
概要
北口本宮冨士浅間神社は富士山北麓の吉田口登山道の起点に所在する。18世紀中期に江戸の富士講六世の村上光清が各地で寄進を募り,荒廃していた社殿を再興した。
拝殿及び幣殿は正面中央に構える大きな唐破風造の向拝を彫刻や彩色,錺金具により飾り,参詣者のための壮麗な礼拝空間を創っている。また神楽殿や手水舎などにも豊かな装飾が施されている。これらの社殿は富士講の寄進により再興され,森厳な境内に近世らしい装飾豊かな参詣の空間を創出している。その造営には地元の郡内大工が当たり,随所にその流派的特徴が認められる。富士山信仰の隆盛を背景に整えられた,地方的特色の顕著な社殿として重要である。