柴野栗山所用蒋瑞元製竹管筆 銘 柳條 銘 鳳毛
しばのりつざんしょようしょうずいげんせいちくかんひつめいりゅうじょうめいほうもう
概要
山田古香は嘉永五年(一八五二)讃岐に生まれ、のちに京都で書と鑑識眼とで名を知られた書家。箱書によれば、本筆は、江戸時代の高名な儒者で、書家、市河米庵の師でもある柴野栗山(一七三六~一八〇七)の遺筆であり、山田古香の祖父、廉庭に贈られて山田家に伝来していたもの。のちに「青渓山房主人」なる人物が偶然に見るところとなり、ぜひとも譲り受けたい、と懇望して古香がこれに応じたことが知られる。筆銘にある「鳳毛」は、当時日本に多くもたらされていた唐筆であるが、これほどにはっきりと来歴の判明しているものはない。