木造獅子頭
もくぞうししがしら
概要
木造獅子頭
もくぞうししがしら
江戸時代初期/宝永5年(1708)塗替/1708
【構造】欅材。頭部と下顎部からなり、別材の舌を付ける。耳は丸いほぞ穴に差し、瞳に銅板をあてる。頭頂部を矧ぎ、その材をさらに前後で矧ぐ。頭頂部にほぞ穴をあけ、毛を植え、後部に幌用の鉄鐶を打つ。
【連結】下顎部後部の左右を立ち上がりを付け、頬下方から金具を通す。
【形態】偏平形で、鼻先を一段低くしたボンネットバスのような形。立ち耳で、眉は無紋、目は横に付く。鼻筋は直角に折れ、鼻孔は貫通する。頬を膨らませて唇をうねらせ筋を入れる。歯は薄く彫り、犬歯がうまく噛むように下歯の一部を凹ませる。
【塗り】全体にベンガラ系の朱漆を塗り、眉・上唇は黒漆塗、内部は朱漆塗り、底面は朱漆塗りとする。
高さ26.5cm
1頭
鯖江市指定
指定年月日:20120427
有形文化財(美術工芸品)
舟津神社は『延喜式神名帳』記載の「丹津神社」に比定される古社で、北陸鎮護の社として篤い崇敬を受け、享保5年(1720)の間部氏転封後は鯖江藩主間部家に祈願所とされた。本殿を初め赤鳥居・大鳥居、広大な社叢など数多くの文化財を保有する。なお、寛永18年(1641)3月に塗替すべき記事が『舟津記録抄』巻一に見え、この段階には存在していたことが確認できる。ただし、この塗替はせず、宝永5年(1708)に至り塗替することになったと推定される。