牟岐町出羽島
むぎちょうてばじま
概要
出羽島は、徳島県南部、牟岐町の南海上に浮かぶ島で、島北部では、東から西に砂嘴が伸びて入り江をつくり、この入り江周りから島北西部の低地にかけて形成された漁村で、徳島藩の移住政策により寛政12年から集落の形成が始まり、明治後期から昭和戦前期にかけて、主としてカツオ漁やマグロ漁で栄えた。天保11年を最古とし、江戸期から昭和初期にかけて建てられた伝統的な主屋が良く残り、その大半は道路に面して建つ間口3~4間規模の町家で、切妻造、平入、平屋若しくは二階建である。同規模、同形式の伝統的な主屋が、社寺や集落南部の斜面に階段状に形成された畑地、小路、石積・石垣、井戸・燈籠等の石造物等と一体となって、近世後期に徳島南海の島に形成された漁村の歴史的風致を良く伝える伝統的建造物群保存地区。