旧真宗信徒生命保険株式会社本館(本願寺伝道院)
きゅうしんしゅうしんとせいめいほけんかぶしきがいしゃほんかん(ほんがんじでんどういん)
概要
旧真宗信徒生命保険株式会社本館は,本願寺を大株主とする真宗信徒生命保険株式会社の新社屋として明治44年に建てられた。設計は東京帝国大学教授の伊東忠太である。煉瓦造で外壁に煉瓦色の化粧タイルを張り,花崗岩の白帯を廻らせるなど英国風の様式を基調とするが,玄関上部のインド風のドームや六角塔屋,中国風の高欄など随所にアジア大陸の意匠を大胆に取り入れている。さらに組物を載せた柱,窓上の人字形割束を模した造形など,随所に日本建築を解釈,再構築した細部意匠を加え,独創的な意匠となっている。旧真宗信徒生命保険株式会社本館は,伊東忠太の建築進化論に基づく初期の代表作であり,我が国における建築様式の道程を体現した建築として価値が高い。