彩牋墨書古今集巻四断簡〈(伝俊頼筆)/(題不知)〉
さいせんぼくしょこきんしゅうまきのよんだんかん〈(でんとしよりひつ)/(だいしらず)〉
概要
本作品は、「巻子本古今集切」と呼ばれる古筆切で、『古今集』巻第四の断簡である。伝称筆者は歌人の源俊頼(1055~1129)である。本文は、『古今集』巻第四の秋歌上のうちの二首にあたる。料紙は牡丹唐草文の蝋牋を用い、華麗な趣を伝える。書風は繊細流麗で抑揚があり、料紙の色と墨色との調和も考慮されている。
本作品は、装飾料紙を用いた古筆切の鑑賞のありようがわかる史料として価値が高く、併せて『古今集』の平安時代後期の書写になる古写本として国文学上にも貴重である。