御書状 「御庭前花盛」
おんしょじょう おにわまえはなざかり
概要
江戸幕府の公用書体となった「御家流」の書道の流祖青蓮院宮である。宛名は不詳であるが、父伏見天皇から「伝えて家の流とせよ」と言われたことに由来する源流の威厳が見えるようである。その著「入木抄」の中に、「初心の人消息を以て手本となす可からず」と戒めているが、草卒の筆にも留意のあとが感ぜられる。
青蓮院流は尊朝流、有栖川流ほか多くの書流のもととなり、また、江戸時代には寺子屋などで使われる往来物(教科書)にも用いられて、明治に活字が普及するまで、日本の標準書体的な役割を果たした。(『名筆へのいざない―深遠なる書の世界―』海の見える杜美術館2012 解説より)
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海の見える杜美術館