桐生倶楽部会館
きりゅうくらぶかいかん
概要
建物を所有する一般社団法人「桐生倶楽部」は明治33年9月に発足した社交機関「 桐生懇話会」を設立母体とし、大正7年8月、社団法人桐生倶楽部と発展改組し誕生した。桐生市の近代化を推し進めた政財界、文化人による社交クラブで、市の文化発展にも大きく寄与している。 組織運営は現在も続いておりにコンサートや絵画展などを開催している。また、一般公開を行い、常時見学者を受け入れている。倶楽部とともに歩んできた当建物の歴史的価値も高いものである。建物は橙色の瓦葺の屋根、小さな切妻の屋根をのせた四本の煙突、外壁はリシン吹き付けで、上げ下げ窓、オーダーの見られる列柱の玄関ポーチ、上部を半円形の欄間とした出入口など、国内でも初期のものと考えられるスパニッシュ・コロニアルの意匠が見られる。
1階内部は、社交施設としての用途に応じた部屋割りや施設の構成がみられ、2階は大広間も含め創建時より大きく手が加えられていない。南側テラスは催物等に利用されている。天井は一部を除き漆喰仕上げで、部屋ごとに装飾の変化が見られる。部屋の内部は、漆喰及び壁紙である。
建物の内部や敷地を含め、創建時の大正期から昭和へと移り変わる時代の流れに伴い幾度かの変遷が見られるが、内外ともに創建時の形状を良く残している。