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萩に雁研出蒔絵 文台

はぎにかりとぎだしまきえぶんだい

概要

萩に雁研出蒔絵 文台

はぎにかりとぎだしまきえぶんだい

漆工

植松抱民  (1845(弘化2)年-1899(明治32)年)

ウエマツ・ホウミン

不詳

木 漆 銀 蒔絵

高12.5 35.6×61.2

1具

蒔絵は漆を使った装飾技法の一つです。蒔絵は、金銀の細かい粉を振りかけて文様をあらわす技法を言います。文様を表す部分にあらかじめ漆を塗り、その漆が乾かないうちに金銀粉を振りかけて文様とします。この作品に用いられている研出蒔絵は、塗った漆の上に金銀の粉を振りかけ、乾燥後に表面全体に漆を塗り込み、金銀の粉が表面に出るまで炭などの研磨剤で研ぎ出す技法です。この作品は、研出蒔絵技法で萩に雁をあしらった文台と、桜に燕をあしらった硯箱です。文台と硯箱の2点、あるいはこれらに文庫を加えての3点は、古来から揃いで誂えられることの多い筆記家具で、文庫の中に文字を記す料紙を、硯箱には硯や墨・筆などを入れ、文台と呼ぶ小机の上で文字を記しました。漆芸の歴史は古代にまで遡り、長い歳月のなかで様々な技術があみ出され洗練されてきました。しかし他の伝統工芸と同様、明治維新により存亡の危機に直面します。この作品の作者・植松抱民は、維新後の厳しい環境のなかでも、かつて大名道具の制作などによって高度に洗練された江戸の漆芸技術を、護り伝えたのです。

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キーワード

蒔絵 / 硯箱 / /

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