花入
はないれ
概要
地面にはらりと落ちた松葉が描かれる。箱書きから姉 琴(こと)の二十五回忌に作られたものと分かる。栖鳳の十歳年上の姉 琴は、栖鳳の代わりに家業の料亭を継ぎ、彼に画の道へ進むことを許した恩人である。「姉は私にとって母の変身でもあれば、異性のやさしさの総てを見せて呉れたやうな人」と栖鳳は語った。ある朝、栖鳳が学校へ勤めに出る前に何も言わず笑顔を交わしたのが、意識のある姉との最後の別れになったという。音もたてず落ちる松の葉を姉の死に重ね合わせたのであろうか。
はないれ
地面にはらりと落ちた松葉が描かれる。箱書きから姉 琴(こと)の二十五回忌に作られたものと分かる。栖鳳の十歳年上の姉 琴は、栖鳳の代わりに家業の料亭を継ぎ、彼に画の道へ進むことを許した恩人である。「姉は私にとって母の変身でもあれば、異性のやさしさの総てを見せて呉れたやうな人」と栖鳳は語った。ある朝、栖鳳が学校へ勤めに出る前に何も言わず笑顔を交わしたのが、意識のある姉との最後の別れになったという。音もたてず落ちる松の葉を姉の死に重ね合わせたのであろうか。
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