十手
じって
概要
十手は長さ約45cm程の鉄棒で、犯罪者を捕らえる時に刀刃を防ぎ、打撃を加えた護身用の武器。柄に総紐を垂れ、その色に紫・朱・黒などの区別をつけて捕吏の所管の部署を明らかにした。通常、現存する十手は在銘のものは皆無と言ってよい程なく、特に柄に銘が入っているものもない。本作のように刀形式のものは珍しく、おそらく町方ではなく同心が特別に刀工へ注文し作らせたものであろう。作者は、銘より江戸時代中期の元禄年間に尾州(現在の愛知県)で活躍した刀工、貞次である。
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