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生と死の凝視

せいとしのぎょうし

概要

生と死の凝視

せいとしのぎょうし

油彩画

寺田政明  (1912(明治45)年-1989(平成元)年)

テラダ・マサアキ

昭和25年/1950年

油彩・画布

91.3×116.5

1面

北九州市出身の寺田政明(1912-1989)は、昭和初期に上京、長崎アトリエ村やその界隈を拠点に活躍した「池袋モンパルナス」の代表的画家です。戦前には、靉光や松本竣介らと交友しつつ、新しい表現を求めて前衛的な作品を発表。戦後は、板橋に転居し、本格的に制作活動を開始しました。一方の崖には樹木が鬱蒼と繁り、他方は田や小川を望むという自然に恵まれた土地で、通称「ひぐらし谷」。時を同じくして、作品には鴉や梟、ねずみなどが頻繁に登場し始めます。この作品では、大きく描いたミミズクと骨の一部を対比。寒色を基調とする明暗の中に死の表象を描きつつも、ユーモアのあるミミズクの形態のためか、どこか温もりも感じられます。自然の追求を作画の基本とした作者は、生と死を見つめることで、生あるものが等しく持つ宿命を深く理解し、今ある与えられた生への慈しみを表現したのかも知れません。

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キーワード

靉光 / 作品 / 表現 / 前衛

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