古今和歌集
こきんわかしゅう
概要
『古今和歌集』伝本の主要なものに、清輔本、俊成本、定家本の三系統があり、なかでも定家本がひろく流布するが、これにも大きく分けて貞応本と嘉禄本の二系統が存している。本巻は嘉禄二年(1226)の定家奥書を有し、この嘉禄本に属している。定家奥書のあとに定家の子為家(法名触覚)による文応元年(1260)の識語があり、それによれば本巻はその子為氏(役名右衛門督、唐名右金吾)の書写になることが了解され、さらに、これが文永二年(1265)に伊勢内宮の神官に伝授されたことも知りうる。三百四十頁におよぶ綴葉装の冊子本で、国文学上からもきわめて貴重である。
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