紺紙金字 無量義経 断簡 (厳島切)
こんしきんじ むりょうぎきょう だんかん いつくしまぎれ
概要
この経切は、平清盛・弟頼盛が厳島に奉納した法華経八巻・無量義経・観普賢経各一巻計十巻のうち、無量義経の断簡である。
各経巻は、初めの数行を清盛、後を頼盛が書きついだ両筆経で、表紙は紺紙に金銀泥で宝相華唐草文が、見返しは金銀泥で釈迦説法図もしくは経意絵が描かれ、本紙は紺紙に銀界を引き、金字で書写されている。現在厳島神社には法華経七巻、観普賢経一巻が所蔵され、国宝に指定されている。
法華経巻四と無量義経一巻の二巻は早くから流出し、無量義経は寸断され「厳島切」として世の中に流布している。(『名筆へのいざない―深遠なる書の世界―』海の見える杜美術館2012)