太刀 銘 来国俊
たち らいくにとし
概要
細身の美しい姿の太刀である。鍛え肌は小板目が細かく詰んで地沸がよくつき、刃文は細直刃である。銘は大振りで、これと近似した銘の正応3年(1290)の作があり、来国俊の前期作と見られ、資料としても貴重である。
来国俊は鎌倉時代後期山城の来派の刀工で、その年紀には弘安元年(1278)から元享元年(1321)まであり、正和5年(1316)には「七十五歳」と記されている。その作風は前期には豪壮な姿に丁子乱れの華やかさがあり、後期は細身で直刃の瀟洒な作となった。遺例の多くは後期の作である。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館