短刀[重要刀剣]
たんとう
概要
この短刀は、津山松平家の初代・越後守宣富が、享保3(1718)年4月17日、就封の挨拶に登城した際、将軍吉宗より下賜されたものである。相州行光の中でも、最も華やかな乱れ出来の相州伝であり、古剣書に、行光は作域が広く、種々の作があるといわれているが、こうした乱れ出来もある。拵は、五三の桐紋がつき、後藤家の揃い金具がついており、鞘は、石目金地に蛭巻きの平蒔絵を施した上に、五三のさかさ桐を高蒔絵にしている。桐が家紋に用いられ始めたのは、鎌倉時代であり、津山松平家で桐紋をつけるのは、初代結城秀康が豊臣秀吉から与えられたからである。桐紋がさかさになっているのは、詳しい理由は不明であるが、豊臣家からもらったのをそのまま使用するのを嫌って、わざと倒立ちさせたのかも知れない。
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