瑞龍寺仏殿鉛瓦(軒丸瓦)
ずいりゅうじぶつでんなまりがわら のきまるがわら
概要
富山県高岡市の国宝・瑞龍寺仏殿の鉛製の軒丸瓦。鉛板を木型にあて槌で叩き、加賀藩前田家の家紋「梅鉢」を打ち出して成形している。これを木瓦に被せて使用された。
同寺は加賀前田家三代当主・前田利常が、先代で異母兄の前田利長の菩提を弔うために建立した曹洞宗の寺院。仏殿は万治2年(1659)に竣工したが、屋根は当初から鉛葺きではなく、はじめ柿(こけら)葺き、次いで瓦で葺かれ、延享元年(1744)から寛政8年(1796)までの間に鉛葺きにされたと考えられている。
鉛瓦が使用された例は、江戸城や瑞龍寺のほかは金沢城や高岡市の勝興寺(鉛板葺)など加賀藩内に多くみられる。