読谷山花織は、浮織と絣を使用したきわめて特色のある伝統的な染織技法である。琉球が読谷村長浜を拠点に展開した南方諸国との交易を通じて、14・15世紀頃に技術が伝えられ織られ始めたといわれている。
　素材は本来木綿が中心で、染色には琉球藍を主体とした植物染料が主に用いられる。濃紺等に染められた平織の地に白・黄・赤・緑等の色糸で花模様が織り出される。
　「木綿紺地格子に経緯絣カジマヤー文様花織胴服」は、紺地に赤と白の格子と絣模様を組み合わせ、格子の中に2種類のカジマヤー(風車)文様を、緯糸を浮かせて織り出している。胴服は、舞台衣裳等に用いられたもので、両脇にマチを入れた古風な仕立てとする。