孝行臼
こうこううす
概要
一般的に孝行臼と呼称される和泉砂岩製の搗き臼である。孝行臼の概念としては、和泉砂岩製の小型の搗き臼で、片手で扱える程度の同石の杵が付属し、内面が丁寧に作られていることが条件であると言えよう。現在のところ当市と周辺市町で確認できた小型の臼は、21点(杵は除く)であり、そのうち孝行臼と考えられるものは、10点である。
『和泉名所圖會』には文章に加え、絵図にも描かれており、他の江戸時代の刊行物に記載がみられることから、その存在は確固たるものであり、江戸時代後半には、江戸や大坂でかなりの流通が見られたと思われる。しかし、当時は一般的であった孝行臼は、現在、ほとんど残されていない状態であり、これまで個別にとり上げられることなく、その認知度も低いのが現状である。