田島ヶ原サクラソウ自生地
たじまがはらさくらそうじせいち
概要
天然紀念物調査報告(植物之部)第一輯 一〇九頁 参照
サクラソウは川岸等の湿生の草地に生育する多年生草本で,わが国では北海道南部,本州,九州に分布する。4-5月に径2-3cmの紅紫色の美しい花を数個つけるため,様々な種類が観賞用に栽培されている。荒川周辺にはかつて普通に本種が生育しており,江戸時代にはサクラソウ見物,園芸化などが盛んに行われ,親しまれていた。大正9年に指定された当時は,周辺にも分布していたものの,都市開発等により生育地が減少し,現在では指定地内に生育するのみである。
天然紀念物解説 三五二頁
櫻草 Primula Sieboldii E.Morren. ノ本自生地ハ荒川沿岸ノ原野ニシテ春季ニハのうるし、ちようじさう、ゑんごさく、むらさきけまん、からまつをう等發生シ夏季秋季ニハをぎ、かなむぐら等繁茂ス。旧江戸時代ノ櫻草、原野ノ今日ニ遺レルモノニニシテ該植物ノ花部ノ個体的変化ヲ研究スヘキ好資料タリ