建具製作
たてぐせいさく
概要
建具の主要材は木目の繊細な無節材で、乾燥にともなう変形の少ない檜材が好まれ、その他、杉、松、欅、桂材などが使われる。製作は木取り、矯正、削加工【けずりかこう】、寸法決め、仕口加工、仕上加工、組立の順で行われ、桟唐戸【さんからど】、蔀戸【しとみど】、舞良戸【まいらど】、格子戸、板戸などの各種の建具のほか連子窓【れんじまど】、花頭窓【かとうまど】などの造作も建具工の仕事である。建具は、小片の部材を複数組み合わせて作られ、大工仕事とは異なり、一厘、二厘をゆるがせにできず、また、隠れるところがほとんどないため仕事に逃げ場がなく、わずかな狂いやキズも許されず、きわめて細かい神経と高度な技術、それに豊富な経験が必要である。
近年は、建具を修理して使用することがほとんどなく、古い形式をもつ建具を作ることも少なくなり、高度な技術を体得した者も希少で、伝統的な技術が失われつつあり、早急に技術の保存と後継者の育成を図る必要がある。
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国指定文化財等データベース(文化庁)