結城紬
ゆうきつむぎ
概要
結城紬は常陸紬などともいわれ、古くより現在の茨城県結城市、栃木県小山市(旧絹村)を中心として製織されてきたもので、慶長年間(1596~1615)の頃から結城紬と称され、江戸時代初期には相当多量の生産を見たもののようである。
結城紬は現在も同地方において製織されているが、紬製作の本来の手法が守られており、伝統的な手工芸による良質のものを今なお生産している。ただし、染のみは近代の趣味をとり入れている。
伝統的な技法は、糸はすべて真綿より手つむぎしたもののみを使用するいわゆる平結城であり、絣模様は手くびりによるものであり、織りには経糸を腰で吊ってその張り加減を調整する古式の織機を用いる。
紬は、繭をとる地方ではどこでも自家用の着物として織られていたが、そのなかでも結城紬は特産品として発展したもので、我が国の紬の代表的存在である。
本場結城紬技術保持会は、糸つむぎ、絣くくり、織りに直接携わり、長年の経験を有する技術者によって構成されている。