歓喜院 貴惣門
かんぎいん きそうもん
概要
歓喜院は聖天山と号し,高野山真言宗に属する寺院である。
中心をなす聖天堂は,享保20年(1735)から宝暦10年(1760)にかけ造営された奥殿・中殿・拝殿からなる権現造の建物で,国宝に指定されている。
貴惣門は聖天堂の東方約200mの位置に東面して建ち,記録から安政2年(1855)頃に完成したと考えられる。
歓喜院貴惣門は聖天堂の正門として雄大な規模を持つ八脚門で,妻側に破風を3つ重ねた類例の少ない特異な形式に特徴がある。
総欅造の精緻なつくりで,多様な技法による彫物で要所を飾るなど,江戸末期の造形技術が発揮されたものとして貴重で,聖天堂とともに保存を図る。