阿仁地方の万灯火
あにちほうのまとび
概要
この行事は、秋田県の旧合川町や上小阿仁村を中心とする阿仁地方で行われてきた、春彼岸の中日に墓前やむらはずれなどで火を焚く行事である。中学生くらいまでの子どもたちを中心に行われ、近年では集落名や中日、彼岸などの文字を表したりしている。マトビは、ここで焚かれる火のことであり、祖霊を迎え送るものであると伝承されているだけでなく、火伏せの信仰や作物の豊凶を占う性格もうかがわれる。
春の彼岸に火を焚く行事は全国的にも類例が少なく、秋田県以外では山形県や新潟県などに存在が知られている程度であり、我が国の祖霊祭祀の変遷を知る上で注目されるものである。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
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国指定文化財等データベース(文化庁)