渡辺学園裁縫雛形コレクション 附 教具類他
わたなべがくえんさいほうひながたこれくしょん つけたり きょうぐるいほか
概要
この資料は、東京家政大学の前身にあたる東京裁縫女学校と東京女子専門学校の教育課程のなかで製作された、衣服や生活用具類の雛形のコレクションである。
東京家政大学は、渡辺辰五郎(1844~1907年)が明治14年(1881)に東京湯島に開設した和洋裁縫伝習所(渡辺学園)に始まる。辰五郎は、東京日本橋で仕立技術を習得後、千葉県で仕立屋を営む傍ら、裁縫塾を開設していたが、その後本格的に裁縫を教えることとなり、雛形尺【ひながたざし】・袖形【そでがた】・褄形【つまがた】を考案した。雛形尺を用い、裁ち方を教えてから雛形を作り、部分縫い・実物に進むという教授法は、布地を節約でき、多数者の一斉教育を可能にした。こうして渡辺学園の裁縫教育は、明治・大正期のわが国の女子教育の展開に大きく寄与した。
本資料は、渡辺学園の卒業生から寄贈された約3000点の資料を精査し、和装、洋装、有職類、生活用品の4項目に分類し、雛形尺・教科書などの教具類などを附としてまとめたものである。渡辺学園の裁縫教育の展開を知る上で欠かすことのできない資料である。