小林家住宅(京都府相楽郡山城町)
こばやしけじゅうたく
概要
小林家住宅は,京都府南部,木津川が大きく湾曲して方向を変える地点の右岸にある。永正3年(1506)に摂津から当地に移住し,近世には,所在する村に設けられた禁裏御料にかかる庄屋を務めていた。
主屋は南面して建ち,切妻造,茅葺で,四面に桟瓦葺の庇を廻らす。普請に係わる文書の『家之普請合力覚』から,寛文5年(1665)の建築と考えられる。
小林家住宅は,年代が明確な民家として最古級に属し,建築時の普請関係文書が残り,民家史の指標となるものとして重要である。
発達した整形四間取りの平面としながら,一間間隔に立つ柱や突止め形式の柱間装置など古式の要素も備え,全国的に貴重な遺構といえる。