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乙(ふくれ)

おと(ふくれ)

概要

乙(ふくれ)

おと(ふくれ)

彫刻 / 能楽 / 江戸 / 東京都

江戸中期・18世紀

縦19.8 幅14.7 高7.4

1面

渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂

収蔵品番号 KM1

独立行政法人日本芸術文化振興会

未指定

 「乙」の類型面の「ふくれ」であるが、「乙」よりも年嵩の女性を表現しているため、〈庵の梅〉〈比丘貞〉の老尼にも用いられる。この面には一見、華やかさより静かさが感じられるが、口元や目元にはもの問いたげな風情も見られる。裏は、丸刀の目を全体に真横に残して仕上げ、黒褐色の漆を施す。鼻穴と鼻穴の間には、作者が暗に自作を示す「知ラセ鉋」と思われる刻線が一筋見られる。また「乙 市寿」と墨書のある貼札がある。面当てには、小さく「庵」の墨書がある。
 狂言面箪笥入りの十面のうちのひとつ。一連の狂言面は摂津国伊丹の銘酒「白雪」で知られる江戸時代以来の大造酒家・小西新右衛門の旧蔵品であり、大阪美術倶楽部において昭和8年(1933)1月24日に行われた「某家所蔵品入札」の売立目録に掲載される。小西新右衛門は平瀬露香とともに、近代能楽の発展に貢献した後援者でもあり、演者としても知られている。

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キーワード

狂言 / 小西 / Shibuya / 売立

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