紙本墨画淡彩弄玉仙図〈岩佐勝以筆〉
しほんぼくがたんさいろうぎょくせんず
概要
本図は童女を侍らせた弄玉仙が桐の樹の下で簫という楽器を奏で、上空に鳳凰が舞う様を描く。弄玉仙とは、中国春秋時代の秦の女性。簫史という仙人から、鳳凰の声のような簫の吹き方を学び、彼女が簫を吹くと鳳凰が飛来したという。
岩佐又兵衛勝以(1578~1650)は近世初期に活躍した風俗画家で、本図はその代表作であり、後半生の基準作でもある旧金谷屏風のうちの一図である。彩色の使用を極度に抑え、墨による密度の高い描写を見せる。淡墨を主体とした柔らかい筆致に特質があり、肥痩のある線を美しく用いた漢画系人物画の優品である。
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