秋草文黒漆太刀〈中身銘豊後国行平作/)
あきくさもんくろうるしたち〈なかみめいぶんごゆきひら〉
概要
秋草文黒漆太刀〈中身銘豊後国行平作/)
あきくさもんくろうるしたち〈なかみめいぶんごゆきひら〉
静岡県
室町
柄は黒漆鮫皮を着せ、茶糸で菱巻きを施す。目貫は枇杷図を彫る。猿手金着せ。鞘は黒漆塗。
責と石突の間に、表に三日月形の銀薄板を貼る。金具は赤銅磨地で秋草文を毛彫りする。
中身:鎬造、庵棟、小鋒、腰反り高く踏ん張りあり。鍛は小板目柾がかり、流れ肌よく約み、地沸細かにつく。刃文は直刃調の小乱、僅かに落とし、匂口うるみ小沸よくつき、所々に金筋入り、表裏二重刃のこころあり、帽子は僅かに湾れ込み、掃きかけて表裏尖りごころに返る。茎生ぶ、先細く栗尻、鑢目切、目釘孔一。佩裏鎺元棟寄りに銘を切る。
総長122.0 柄長31.0 鞘長91.5 (㎝)
中身長76.4 反り3.4 (㎝)
1口
静岡県三島市中田町1-43
重文指定年月日:19531114
国宝指定年月日:
登録年月日:
公益財団法人佐野美術館
国宝・重要文化財(美術品)
総体を黒づくめで作る。金具は赤銅で秋草文を彫り、黒漆塗の鞘に銀の三日月形を張って、秋の夜景を表している。肉取りの厚い丸鞘で、金具の造りや彫りなどから室町時代前期の製作と考えられる。
中身は、鎌倉時代初期の豊後国行平の作。上杉家伝来。