旧小坂鉱山事務所
こさかこうざんじむしょ
概要
旧小坂鉱山事務所は,合名会社藤田組小坂鉱山事務所の本部事務所として明治38年に建てられた。設計は,同事務所工作課の北湯口勇太郎と推定されている。
口字型平面の木造3階建で,段差のある敷地に対応するとともに採光を考慮した階層構成と平面形状を持つ。
ルネッサンス風の漆喰壁面に木製のヴェランダポーチをはめ込んだ類例の少ない正面外観を構成している。近年,旧所在地から約500m南方に移築保存された。
旧小坂鉱山事務所は,建築計画や建築意匠上に特徴があり,明治後期における建築技術者の洋風建築設計技術の習得度を測る上で重要である。
また,我が国の近代鉱山における本格的鉱山事務所建築の数少ない遺構としても,高い歴史的価値がある。