旧大國家住宅(岡山県和気郡和気町尺所) 酉蔵
おおくにけじゅうたく とりぐら
概要
旧大國家住宅は,岡山県東部の和気町中心にあり,ほぼ方形の屋敷を構える。
北を正面として主屋が建ち,その西に蔵座敷,中蔵,乾蔵,酉蔵が並ぶ。主屋は宝暦10年(1760)に建てられ,江戸末期頃に現在の姿になったと考えられる。蔵座敷は享和元年(1801)の完成で,江戸末期頃に内部の御成の間などが整えられた。中蔵,乾蔵,酉蔵はともに文化5年(1808)の建設と判明する。
旧大國家住宅は,中国地方東部を代表する大庄屋格の住居のひとつで,江戸後期から末期にかけての屋敷構成をよく残し,高い価値がある。特異な屋根形状を持つ大規模な主屋や,洗練された数寄屋風意匠になる蔵座敷は,江戸後期から末期にかけて行われた普請の結実であり,民家の変遷過程を知る上でも,重要である。蔵などの附属施設や宅地も併せて保存を図る。