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能装束〈茶地百合御所車文縫箔/〉

のうしょうぞく〈ちゃじゆりごしょぐるまもんぬいはく〉

概要

能装束〈茶地百合御所車文縫箔/〉

のうしょうぞく〈ちゃじゆりごしょぐるまもんぬいはく〉

工芸品 / 安土・桃山 / 関東 / 東京都

東京都

桃山

表は茶練貫地、裏紫平絹地の袷仕立。身幅、襟幅が広い。袖幅は狭く、袖にふりをつける。文様は前後とも立涌文を地紋とし、背面は右身頃に寄せて大きく百合を配し、左に御所車を散らす。
立涌の線は雷文繋ぎを摺箔で表し、百合や御所車は刺繡で表す。刺繡は、白、鶸、萌黄、緑、縹、紺、紫、紅の平糸と撚糸を用い、渡繡を主に纏繡などを交える。

身丈136.7 裄62.0 前幅33.5 後幅39.8
袖幅23.0 袖丈50.2 袖口21.7 襟肩あき15.2 襟幅13.5~14.2
振り7.8 衽幅24.0 衽下がり14.3 襟下41.0 (㎝)

1領

東京国立博物館 東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:19950615
国宝指定年月日:
登録年月日:

独立行政法人国立文化財機構

国宝・重要文化財(美術品)

茶練貫地の表には、前後とも、地文として摺箔により立涌文を表し、さらに向かって右に片寄せて大きく百合を、左には御所車を各種各様の色糸・繍技によって表している。
 身幅が広いわりに袖幅が狭いなどは桃山時代の小袖類に共通するところであるが、茶地という地文の暗さや、立涌の小文摺箔文様、御所車の細かな繍技、主文様である百合を大きく一方に片寄せる意匠構成などは、江戸時代前期の小袖類に近い。
 いわばその過渡的な複合性を示す数少ない遺例であり、かつ巧みな意匠構成、配色、繍技を見せる能装束の優品である。
 奈良の金春家に伝来した。

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