旧山邑家住宅
きゅうやまむらけじゅうたく
概要
芦屋市の六甲山麓、芦屋川左岸の細長い丘陵上に位置する。著名なアメリカ人建築家フランク・ロイド・ライトが来日中に設計した作品のうち、当初の姿を残す唯一の住宅遺構。住宅は大正13年に竣工した。鉄筋コンクリート造、4階建で、傾斜地を利用して段状に建てる。高低ある平面、独特の意匠などライトの作風をよく表わしており、日本の近代建築史上重要な意義を持つ。敷地は、西南を崖とする丘陵を擁壁や石垣で大きく三段に造成し、住宅は最上段に建つ。急峻な丘陵頂部への住宅の配置は、建築と自然の融和を目指したライト自身の構想により、特徴的な形状の敷地は住宅と一体となって価値を形成している。