主屋北西に位置する家財蔵。２階建切妻造妻入桟瓦葺で外壁漆喰塗仕上で、軒に鉢巻を廻らし、腰に高く竪板を張る。南に戸口、北妻と東面に塗込の庇付き窓を開ける。内部は各階板敷の一室で小屋組は登梁形式の和小屋。小規模ながら用水路沿いの点景となる土蔵。

三条八幡神社の北西、用水路沿いの敷地に建つ農家の主屋。通りに北面するつし二階建切妻造平入鉄板葺で桟瓦葺下屋を付す。西に旧土間、東に田の字形に部屋を並べ、南東に床を構えた座敷、南西にさらに座敷棟を延ばす。建ち低い主屋が農村集落の歴史を伝える。

通りに北面する表門。切妻造桟瓦葺の軒端を銅板一文字葺とする腕木門で、板扉に大きな斫り目を施し、門戸上部は格子欄間とする。控柱は名栗仕上。落棟とする左右袖塀は斫り目付の竪板張で西側に潜戸を開く。簡素な構成ながら丁寧なつくりとした屋敷の表門。

六甲山南麓の住宅地に位置する海運会社役員の洋館付住宅。西側和館はつし二階建で、良材を用いる端正な座敷は床、床脇、付書院を備える。東側洋館は二階建で、ステンドグラスのモチーフに船など、階段廻りにチーク材を用い、海運商らしい特徴を示す郊外住宅。